
地域経済を盛り上げるために!いま相模原で起きてる中小企業の課題とは
税理士法人小形会計事務所 所長
株式会社サウンドパートナーズ 代表取締役
さがみはらYEG2018年度パワーアップビジネス委員会委員長
小形剛央
相模原の後継者不足による休廃業、解散数は増加傾向
相模原商工会議所青年部(さがみはらYEG)の2018年度は、青年部活動を通じて、地域経済の活性や会員企業の事業強化を推進し、毎月のように研修事業を行っている。そんな重要な事業を担っているパワーアップビジネス委員会の委員長である小形剛央さんに、相模原の地域経済における課題や地域経済を盛り上げるために設立した新会社「株式会社サウンドパートナーズ」について話を聞いた。
小形さんは、相模原市中央区で創業40年の税理士法人小形会計事務所の所長である。
父である小形文夫氏から家業を引き継いだ。
-早速ですが、相模原の中小零細企業における現在の課題は何でしょうか?
まずは、経営者の高齢化があります。最も多い経営者の年齢は60代半ばです。
2017年、横浜市や川崎市は休廃業、解散数が減少傾向でしたが、相模原市は増加傾向でした。これも経営者の高齢化と事業後継者不在が原因の一つとも言われております。
–事業承継がうまくいかない理由はなぜでしょうか?
理由は様々だと思いますが、魅力があるビジネスを育てている経営者が少ないと思います。また、それらをサポートするために内外のパートナーが少ないことも原因です。魅力がある会社でしたら内外から後継者候補は自然と出てきますし、M&Aも今は身近になっているので、そういう知識やノウハウを持っているということが課題を解決する重要な要素なのです。
経営者が高齢になることで企業の業績も停滞すると言われていて、売上増を達成できる経営者も70代経営者では14%、30代経営者では51%と大きな差が出ている統計があります。それだけの差があったとしても高齢経営者の事業承継準備ができている会社は半数しかいないんです。
–ではどうすればいいのでしょうか?
官民一体となって、県、市、商工会議所、士業、金融機関などが、中小零細企業向けに事業承継に関する経営のアドバイスなどをしておりますので、積極的にそういったところを活用していただきたいです。
私たちは、経営者の皆さんと事業承継基本方針書というものを作成して、後継者が「明るい未来」を感じることができるような魅力ある事業づくりをお手伝いしています。事業継承問題をクリアできた経営者の方たちはみんな明るいんです。
承継準備をしていれば、税制的にメリットがある
-後継者がいた場合でも準備は必要でしょうか?
はい。非上場株式を相続、または贈与する際に発生するのが「贈与税」と「相続税」です。これはかなり大きな金額だったりします。ただし、2018年度から「事業承継税制」が大きく改正しました。これは10年間限定の特例措置でして、一定の手続きをすることで、一括で贈与などをした非上場株式などの贈与税額が、全額納税猶予されます。贈与者が死亡した場合、贈与時の評価額が相続税の課税対象になりますが、この株式にかかる相続税額も全額猶予対象となります。
-どうすれば優遇を受けれるのでしょうか?
原則2018年4月1日〜2023年3月31日までに、会社が「認定経営革新等支援機関の指導及び助言」を受けて作成した「特例承継計画」を都道府県庁に提出した場合に限り、適用されます。
ただし、27年12月31日までに非上場株式などを後継者に贈与しなければ、適用されなくなります。
詳しくは顧問税理士に聞いてみるか、私小形にお・ま・か・せ・あ・れ!!
-・・・・。わかりました。話は変わりますが、小形さんは大学卒業して就職していたんですよね?何のお仕事でしたか?
某大手監査法人でマネージャー職をしておりました。地元から都心まで通っていたのですが、27歳で結婚して、田園都市線の鷺沼周辺に家を買って住んでいました。
エリートコースから一転。家業を継いだわけ
-大手監査法人で都内に通い、家庭を持ち、鷺沼にマイホーム。かなりエリートコースですね。
色々学べることも多くて、仕事も本当に楽しくて。もちろん大変でしたが、会社の人もお客さんもみんないい人で、まわりに恵まれた環境でした。
-そうなると家業である税理士事務所を継ぐ発想なんてないですよね?
そうですね。その頃、ちょうど父親が営むこの小形会計事務所の後継者問題があり、事業売却案が出ていたんです。でも私は継ぐつもりはありませんでした。上司にも「そろそろ継ぐから帰るんでしょ?」って聞かれていたんですが、その度に「継ぎません」って言ってました。
-考えが変わるきっかけはあったのですか?
東日本大震災でしたね。同時期に「国際会計基準の義務化」がとある政治家さんにより無期延期されたりして、仕事で学べることも少なくなってきてたんです。
そんな時に震災が起きて、出社できない1週間くらいの間に色々考えたんです。
私が子どもの頃から可愛がってもらっていた事務所の職員さんは今後どうなるんだろうかと。やはり愛着があるし、私が会計士を目指すきっかけを作ってくれた父の事務所ですから何とかしたいなと思いました。会社では、さらに昇格するタイミングでもあったのですが、ポジション的にも骨を埋める覚悟が必要でした。“継ぐなら今しかない”でないと、大好きな会社にも迷惑がかかる。会社に嘘をつきたくなかったんです。そんな葛藤を震災後にしてましたね。
地元相模原の経済を盛り上げたい
-そこで思い切って家業を継いだわけですね。
はい。でも会計士と税理士、クライアントの規模も大手企業から地域の中小企業とすべて文化が違う。正直、入所した時は、メリットを感じませんでした(笑)。
でもそんな中で、業務を拡大したり、新規事業を立案したり、草の根的に色々動いてました。それらが徐々に実ってきて、同時に世間の信頼度をより高めるために税理士法人化もしました。
-家業を継ぎながら新会社の株式会社サウンドパートナーズを設立されたとのことですが、どういった経緯で?
地元の経済をもっと活性したかったんです。私を育ててくれた相模原に帰ってきたとき、大手企業が撤退したり、震災の影響もあったりで、地元企業の元気がありませんでした。
やはり地域経済が元気でないと住人も明るくなれません。そして外から移住することもなくなります。自分たちの子どもが住む街ですから、明るい未来の街にしたいですよね。
私は税理士、会計士として、税務知識やM&Aなどの知識、中小零細企業から大手企業まで経営助言をしてきたので、そういった客観的な観点からもっと地元経済を盛り上げることができるのではと思ったんです。先程申し上げた事業継承もM&Aももっとうまくできるはずだと。
「明るい事業継承」を掲げていこうと思いました。
-それは今の小形会計事務所ではできないんですか?
税理士法人には業務の制限があります。税理士法人ができる業務内容を超えていかないと本当の意味で経営のパートナーにはなれませんし、結果企業が衰退してしまったら地元経済を盛り上げることができませんからね。
サウンドパートナーズの由来は、親身で専門性の高い、「健全な」パートナーになることが目的です。業務内容も起業支援から保険事業、資産防衛事業や事業承継対策まで行います。各種士業とも連携して、本気で企業をバックアップしていきたいと考えてます。
-今後の相模原に必要なものとは?
起業者が少ないです。また地元企業が多すぎて競争力も新陳代謝も高くない。
相模原はリニアが通ったり、小田急線が延線するかもしれない。また自然も多いので、ポテンシャルがあると思います。
でも業種にもよりますが、この街で起業するメリットを感じられないんです。起業者が増えれば新しい人材や発想も生まれて、競争力も高まります。
本当は起業の街にしたいくらい。
-YEGらしい熱い想いですね。YEG入会のきっかけもそういったことで?
そうですね。先輩や親の紹介ではなく、自ら門を叩きました。
個人でこういった想いがあっても、行政や市民に声が届かないと思ったんです。
だからこういった若手経済人が集まった団体に入って、活動を通じて発信していこうと。
-なるほど。そうしましたら、相模原の経済を盛り上げるのはサウンドパートナーズに?
お・ま・か・せ・あ・れ!!
-・・・・。はい。本日はありがとうございました。
あとこのミーティングルームのホワイトボード、文盛堂さんで買ったんです。
-ちょっと部屋のサイズと合ってないですね。
税理士法人小形会計事務所
- 各種税務に関する業務
- 会計・決算に関する業務
株式会社サウンドパートナーズ
- 事業承継対策
- 創業支援
- 経営発展支援
- 企業防衛事業(保険事業)
- 資産防衛事業
電話番号 042-755-8466 FAX番号 042-756-2374
【相模原オフィス】税理士/公認会計士/社会保険労務士/株式会社サウンドパートナーズ 神奈川県相模原市中央区横山台2-9-17
【銀座オフィス】 公認会計士/株式会社サウンドパートナーズ 東京都中央区銀座6-16-12丸高ビル3F
最新記事 by 宍戸 裕二 (全て見る)
- 2/16開催!50周年記念イベント「YAMATEN」 - 2019年1月17日
- 11/6開催 さがみはら商人思草塾 in 相模原市立産業会館 - 2018年10月10日
- 第3回サガミハラエッジ芸人バトル出場者募集中!! - 2018年8月28日