第2話 てるて・小栗(おぐり)の出会い

 ある春の日のことです。小川のほとりには桜が咲き、ひばりのさえずるなか、村の子供たち楽しそうに遊んでいます。
 お花見に来た照手姫は、春の美しい景色に心をなごまされ、桜の木の下で琵琶を弾き、歌うのでした。
 琵琶の音と美しい歌声は、桜の花びらといっしょに春風にのって山里にまで響きわたりました。

 ちょうどその頃、小栗判官(おぐりはんがん)という武士が家来たちと常陸(ひたち)の国から相模の国へ向っていました。
 相模の国の里まで来ると、琵琶の音と歌声がどこからともなく聞こえてきます。
 長旅で疲れ果てていた小栗一行は、その美しいねいろ音色と歌声に心をいやされました。小栗は、音色にさそわれるまま、小川のほとりへ進んで行きます。そこには、曲を弾きおえた照手姫が、髪をといでいました。
 桜の中でひときわ輝く照手姫の美しさに小栗は一目で心を奪われました。

てるて2

 

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